中国の観光ビザ申請で最も高いハードルは写真だと聞いていたのですが、美肌証明写真というアプリを使い、あっさり申請できました。
アプリの設定内容も含めて、2024年10月時点で最新の申請手順を報告します。
ビザなしの渡航手段
コロナ禍以降、短期観光でも中国入国には原則ビザの取得が必須ですが第3国を経由したトランジットの場合144時間以内の入国はビザを免除される例外を利用して中国観光することも可能です。
詳細はご自身で調べていただきたいのですが、こちらを利用する場合はその適用対象になるか必ず確認してください。
基本的には入国を拒否されるケースは少ないようですが、中国国内を移動するつもりで航空券を購入していたのに国内線をキャンセルして旅程を変更するはめになったというケースは複数あるようです。
万能ではないので、ご注意ください。
私たちもトランジット例外を検討したのですが、トランジットのために必要な時間やトランジットに失敗するリスクも考えて、今回は素直にビザを取得することにしました。
観光ビザ申請に必要な書類など
私たちは個人旅行の観光ビザ申請で、シングル(1回のみ訪問)で、ホテル宿泊です。
ビザの種類によってはまたは知り合い宅へに宿泊する場合などは、必要書類や手順などは異なってくると思いますが、同じケースの方は参考になると思います。
申請に必要な書類などを、必須なものを太字、あったほうがよいものを赤の細字で列挙します。
あったほうがよいものには濃淡がありますが、この記事全体からご判断ください。
- 有効期間が6ヶ月以上あるパスポート原本
- 古いパスポート原本
- 有効なパスポートの写真面の見開きページコピー(A4で原寸大、白黒可)
- 現在のパスポートによる中国渡航歴がある場合、そのビザや入出国スタンプが押されているページのコピー(A4で原寸大、白黒可)
- 古いパスポートの写真面の見開きページコピー(A4で原寸大、白黒可)
- 古いパスポートによる中国渡航歴がある場合、そのビザや入出国スタンプが押されているページのコピー(A4で原寸大、白黒可)
- 指定された条件を満たす写真(1枚or2枚)
- ビザ申請書(オンライン入力したものでA4出力、白黒可、両面印刷不可)
- 航空券コピー(eチケットなど)
- ホテル手配確認書
- 小銭の現金(なければ1,000円札)
- 手数料(2024年10月現在、普通申請でシングルの観光ビザは一人当たり7,250円、クレジットカード払い可)
航空券の手配とホテルの手配
「写真の用意」と前後しても問題ありませんが、ビザの申請前に行いましょう。
ホテルの手配は中国滞在期間をすべて充足する予約情報が必要です。
ビザ申請時点で、詳細なスケジュールまで決めていない方もいると思いますが、無料キャンセルできるホテルでもとりあえず手配してください。
多少予定が変わってもビザを再申請する必要はないそうなので、ビザ申請を優先しましょう。
航空券は搭乗者全員の名前が記載されていますが、ホテルを複数人で申し込んでいる場合代表者しか記載されていない場合がほとんどだと思います。
ホテル手配書の名前と申請者が異なっていると申請時にトラブルになるかもしれないので、グループ全員で一緒に申請したほうがいいでしょう。
書類は白黒印刷で大丈夫ですが、A4用紙で統一しましょう。
プリンタで印刷する場合、両面印刷不可です。
美肌証明写を使用した写真の用意
「航空券の手配とホテルの手配」と前後しても問題ありませんが、ビザの申請前に行いましょう。
写真は画像データとプリントされた写真の両方が必要です。
中国のビザ申請に必要な写真は、細かい指定があります。
そのため、多くの人がノウハウがあるプロの写真館に頼んだ方がいいと言っています。
ただ、私たちはあまり時間がなかったためスマホの写真とアプリで用意しました。
サイズを測ったりせずリスクを背負ってアップロードと窓口申請しましたが、どちらも問題ありませんでした。
後日プリントされた写真で測ってみると、微妙に条件は満たしてなかったです。
手順と注意した点を記載しますので、参考になれば幸いです。
スマートフォンでの写真撮影
写真撮影時の注意点です
- できる限り画素数の高いスマホを使用し、インカメによる自撮りは避けて撮ってもらいます。
- アプリで明るさ調整できますが、できるだけ明るいところで撮影します。
- 顔に影ができないように注意します。どうしても影ができるときは、胸の下あたりに大きな鏡をもって光を反射させると影が消えることがあります。
- 背景はアプリで加工できますが、あまりごちゃごちゃした背景は避けます。
- 正面を向き、口を閉じて目を閉じないようにします。左右どちらかの目のまぶたが落ちやすい場合は意識して開けるようにします。
- アクセサリも不可だが、メガネにも条件があるので眼鏡もはずす。
- 耳を出すようにするとともに、なるべく額を出すように前髪を左右に分ける。
- 服が背景と同化しないよう、白いシャツ特にTシャツは避ける。
アプリ「美肌証明写真」による加工
使用したアプリは「美肌証明写真」です。
iPhone用しか提供されていないようですが、Androidでもパスポートや証明写真用でおすすめされているアプリであればどれでも同じような手順で作成できると思います。
以下、美肌証明写真での操作手順です。
- 写真を取り込む。顔の位置はアプリの指定通り。
- 背景に「白」を指定。
- 夜に撮影したので明るさを上げました。美肌などの項目は好みに合わせて調整すればよいと思いますが、不自然にならない程度に。
- サイズは「自由設定」を選択、規定は48mm*33mmですが、たて50mm×よこ35mmと少し大きく指定しました。
- 「完了」→「印刷用に保存」を選んで、画像を作成。
心配な方はアプリ指定位置より顔の大きさが少し大きいものと少し小さいものを用意するといいかもしれません。
余白なしの画像の方を使用しました。
この3枚綴りのL版画像データでアップロードできました。
iCloudからUSBメモリーへダウンロードし、ファミリーマートでL版プリントしたものを窓口に提出しましたが、問題なく受理されました。
なお、写真は1枚必要となっていますが2枚用意しておくことをお勧めします。
ウェブサイトでのビザ申請書入力
ビザの申請書は、原則手書きやオフライン入力は認められません。
中国ビザ申請センターのサイトで入力します。
なお、ビザの申請場所は決まっています。
大阪の方が東京で申請することはできないので、ご注意ください。
入力項目の詳細説明は解説されている方が多くいますので、ここでは省略します。
参考までに、入力はWin11PCでブラウザはEdgeを使いました。
写真のアップロードが難関のひとつになりますが、先に記したように3枚綴りのL版プリント用の画像で一発OKでした。
表示される2重の楕円の使い方は右側に表示されるムービーを参考にしてください。
真偽のほどがわからないのであくまで参考ですが、申請時に並んでいるときに3回アップロードに失敗したら窓口で相談して通してもらえるらしい、と言っている人がいました。
どうしてもアップロードできない場合は、可能性があるかも???
なお、最終学歴などなんでこんなことが必要なんだと思う項目が非常に多く、入力には結構時間がかかります。
マウスの調子が悪かったとはいえ、写真アップロードは困らなかったのに、私は入力に30分程度かかりました。
何を入力すべきか迷う項目もあると思いますが、あまり悩まずにどんどん入力していきましょう。
というのも、多少の入力ミスがあっても申請時に窓口で手書き訂正を要求されることがありますが、オンライン入力をやり直すように要求されることはほとんどないと思います。
悪意のあるウソでない限り、ミスを恐れずどんどん入力し、任意入力項目は飛ばすなどしていかないとかなり時間がかかります。
日本語で入力するか英語で入力するかも悩むところですが、どちらでも受理してもらえます。
ただ、どちらかといえば英語で入力するほうがおすすめです。
というのも、ひらがながはじかれることが何度かありました。
英語で入力しようとすると時間がかかる方は無理して英語入力する必要はないと思いますが、どちらでもいいなら英語のほうがスムーズに入力できます。
入力完了後、申請書(PDF)がダウンロードされていることが確認できるまでブラウザを閉じないようにしましょう。
申請書の印刷は白黒でOKですが、両面印刷しないでください。
東京での観光ビザ申請
オンライン入力では申請は完了していませんので、書類をもって窓口へ申請する必要がありますが、本人が申請する必要がある点に注意ください。
地方の方で東京まで申請に来るのが難しい方は、代理申請会社を通じた代理申請は認められていますので、信頼できる会社に申し込むこともひとつです。
なお、窓口では日本語で対応してもらえますので、英語や中国語が話せなくても問題ありません。
また、ホテル手配で記したとおりグループ全員でいっしょに申請した方がいいでしょう。
事前予約は不要ですが、かなり時間がかかりますので、オープンしている日時は確認して予定を立てましょう。
まずは必要書類がそろっているか確認しましょう。
古いパスポートやそのコピーを用意したほうがいいと列挙しましたが、基本的に不要です。
私たちはたまたま手元にあったのですが、旅行当日に間違って古いパスポートを持って行かないようにするためにも処分しておいたほうがいいものですし、提出したことでかえって面倒でした。
ゆりかもめの駅からは直結していて、行き方もこのサイトでわかります。
りんかい線の駅からは、出口を出て右側へと進んでいき、ファミリーマートとサイゼリヤが1Fに入っているビルを目指します。
ビザ申請センターへのエレベーターの場所は分かりにくいかもしれませんが、ビル入り口に行き方を書いた紙が貼ってあります。
私たちは夫婦いっしょに申請にいったのですが、到着してからの実際の動きを説明します。
申請の列に並ぶ
まずは整理券が配られたりはないので、すぐに列に並びます。
10時くらいに到着したのですが一番列が長かったように感じました。
椅子の空きもほとんどないくらいの混雑ぶりでした。
順番がくると書類一式を提出するのですが、ここでは書類がそろっているかをチェックするようです。
夫婦でまとめて処理してもらえました。
写真を物差しでチェックしたりはなく、文句を言われることもありませんでした。
ここで中国渡航歴をきかれ、夫はあり(10年近く前に北京へ観光)妻はなしでした。
すると夫にのみ古いパスポートがあるかときかれ、その古いパスポートの写真面と北京空港での入出国スタンプのページのコピーを取るよう言われました。
センター内にはコピー機があり、1,000円札は受け付けますが1,000円札に崩す両替機はありません。
私たち以外にも追加でコピーをとるよう言われた人がいますので、小銭は用意しておいた方が無難です。
チェックが終わると(夫婦でひとつの)整理券が発行されます。
順番がくるとモニターに整理番号とカウンタ番号が表示されますので、それまで待機となります。
窓口での審査
順番がくると窓口で書類の審査を受けます。
ここでは職業についての質問がありました。
会社員でも自営業でも具体的な仕事内容を質問するようです。
フリーランスは仕事場所が自宅かどうかをきかれました。
旅行計画の予定に関する質問はなかったのですが、私たちは入国も出国も上海でホテルも滞在期間中同じだったからかもしれません。
ただ、ここで妻にも古いパスポートがあるかきかれ古いパスポートの写真面もコピーをとるよう言われます。
また、写真がもう1枚あるかともきかれました。
L版プリントからまだ切り抜いていないものが手元にあったので、そのまま提出すると窓口の方が自らハサミで切り抜いてくれました。
ここでも細かい写真のチェックはなく、文句も言われていません。
写真は、申請書の写真プリント位置にのり付けしていました。
指定される場所に複数個所、日付とサインを書き入れると審査は完了しました。
パスポートは(古いものも合わせて)いったん預けることになり、4営業日以降に引き取りできる旨説明があります。
引換証と整理券が発行され、支払いが終わると今日は終わりと説明を受けます。
手数料の支払い
同じくモニターに表示されると指定窓口で手数料を支払います。
支払いは受け取り時との情報もあったのですが、申請時に支払いでした。
夫婦2人分をまとめての支払いになりましたが、それぞれ個別に支払いたい場合は相談したほうがいいでしょう。
クレジットカードで支払うことが可能です。
以前は、VISAかMasterか銀聯カードしか使えなかったようですが、現在はJCBやAmexなども使えるのでほとんどの国際ブランドが使えます。
ここまで1時間半強かかりました。
観光ビザ(パスポート)の引き取り
東京は郵送サービスがないので、受け取りに行く必要があります。
ただ、受け取りは本人でなくてもいいので、本人はもちろんですが代表者や第3者が引換証をもって受け取りに行くことも可能です。
発行されたビザの受け取りも意外に時間かかかります。
まずは申請で行った部屋の入口にいる警備員に受け取りに来た旨を伝えて、整理券を受け取ります。
警備員から1時間ほどかかる見込みだと伝えられ、実際1時間弱かかりました。
整理券を受けとったら、サイゼリアなどでランチを食べてから戻るのもいいでしょう。
受け取り窓口は申請時とは違う部屋でエレベーターホールから真っ直ぐ進み左手の部屋になります。
狭い部屋なので、番号が近づくまでは申請の部屋の椅子のほうが確保しやすいかもしれません。
番号がきたら窓口へ行きます。すでに番号が呼ばれていたら窓口でその旨伝えます。
(古いパスポートと)発行ビザを貼ったパスポートが返却され、領収証が発行されます。
写真を2枚提出していましたが、1枚はこのとき返却されました。
中国の観光ビザ申請は面倒でしたが、難しくはないというのが率直な感想です。
お役に立ちましたら、幸いです。