低所得の青色申告個人事業主のブログ

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支払家賃や水道光熱費の経費計上:家事按分と仕訳


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青色申告個人事業主特有の家事按分の仕訳について説明します。

 

 

家事関連費と家事按分

経費に計上できるものは事業に関係するもののみです。

自宅家賃は経費計上できませんが、事務所家賃は経費計上できます

自宅兼事務所の場合、家賃はプライベートと事業費用の両方の側面があります。

家賃に限らず、このような両方の側面をもつ費用を家事関連費といいます。

その場合全額を計上することは許されませんが、一部を計上することができます

費用の一部を経費計上し、残りを家事相当分にする処理を家事按分といいます。

 

按分割合の基準

では事業経費として計上する割合はどのように決めればよいのでしょうか。

割合の基準は厳密に決まっていません。

しかし、客観的で合理的な基準を事業主自身で決める必要があります。

ただ、小規模個人事業主は厳密さにはこだわらなくていいでしょう。

これから一般的な基準を紹介しますが、週あたり稼働日数であれば祝日や年末年始を考慮すべきかとか、さらに稼働時間まで考慮すべきかなどと考え出すと複雑になります。

正確性より単純なわかりやすい基準が好ましいと考えます。

四方山話

家事関連費であったとしても、客観的で合理的な基準を設定できない場合は事業経費の計上をあきらめなくてはなりません。

具体例で説明しますが、まず確認です。

(法人は損金算入できる場合もありますが)、個人事業主の場合は事業主にかけた生命保険の支払保険料は事業経費にできません。

かたや事務所の火災保険の支払保険料は事業経費になります。

これを前提に、加入した地方の業界団体の福祉共済の掛金について経費計上できるか、考察してください。

この福祉共済は様々な保障があるのですが、その中に死亡保障と事務所の火災補償があります。

つまり共済掛金は家事関連費には該当するといえます。

しかしこの福祉共済の各保障は一体運用されており、掛金の内訳が分かりません。

そのため、客観的で合理的な基準を設定できず、家事按分が否認されました。

 

代表的な按分パターン

基準は何でもいいのですが、よく使われる一般的なパターンがあります。

勘定科目勘定科目と補助科目の組み合わせで按分の事業費率を定義するのが一般的です。

面積比

自宅兼事務所の延床面積に対して、事業で使用するスペースの割合を事業費率とします。

事業で使用するスペースとは、作業スペース事業に関係する物品の保管場所などです。

例えば、延床面積30㎡に対して事業で使用するスペースが12㎡の場合、事業費率は

12 ÷ 30 × 100 = 40%

となります。

稼働時間比

1週間で平日稼働する場合は

5 ÷ 7 × 100 = 71%

1日における稼働時間が平均約10時間であることを根拠とする場合は

10 ÷ 24 × 100 = 42%

などと算出します。

コンセントの数

水道光熱費の電気代くらいでしか使えないのですが、よく使用されます。

使用量比

車関係の経費を走行距離に応じて按分したり、プリンタインク購入代を印刷した紙の枚数に応じて按分したりします。

記録を残さなくてはならないので、面倒です。

 

家事按分の仕訳

費用が発生するたびに按分計上するパターンと、期末に合計額から家事相当分を差し引くパターンです。

期末処理で按分するパターンの方が一般的ですが、消耗品費や雑費などは補助科目を設けるより都度按分処理した方が早い場合もありますので、使い分けてください。

都度按分計上する

自宅兼事務所の固定資産税100,000円が事業用口座から引き落とされ、事業費率は50%とします。

借 方 貸 方
租税公課 50,000円 普通預金 50,000円
事業主貸 50,000円 普通預金 50,000円

事業用口座でなく、プライベートの口座からの引き落としだったり、プライベートのクレジットカードでの支払いだったりの場合です。

借 方 貸 方
租税公課 50,000円 事業主借 50,000円

この仕訳だと、固定資産税が100,000円であることが分からないので、摘要に記載しましょう。

期末処理で家事相当を減殺する

期中はいったん全額を経費に計上します。

自宅兼事務所の年間電気代が200,000円(水道光熱費として計上済)で、事業費率は50%とします。

例えば、期中は以下のように毎月全額経費計上していきます。

借 方 貸 方
水道光熱費 20,000円 普通預金 20,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 20,000円 普通預金 20,000円
水道光熱費 20,000円 普通預金 20,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 15,000円 普通預金 15,000円
水道光熱費 20,000円 普通預金 20,000円

この場合、期末処理で減殺する仕訳は

借 方 貸 方
事業主貸 100,000円 水道光熱費 100,000円

 

すでに述べましたが、厳密さや正確さは重要でないと思いますが、客観性と合理性を満たすよう注意してください。

特に高い事業費率で家事按分をする場合は、税務署を説得できる客観性と合理性があるか確認ください。

 


 

今回は、家事按分とその仕訳を解説しました。

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